初盆の準備と心得:故人を偲ぶ大切な時間を丁寧に迎えるために
- 2025.05.02
- 盆提灯

はじめに
初盆(はつぼん/新盆)は、故人が亡くなってから初めて迎えるお盆であり、日本の仏教行事の中でも特に重要とされる供養の機会です。通常のお盆と異なり、初盆では親族や故人と親しかった人々が集まり、僧侶を招いて読経を行うなど、より丁重な儀式が行われます。
初盆はただの儀式ではなく、遺された人々が故人の存在に改めて思いを馳せ、感謝と祈りを捧げる時間でもあります。この記事では、初盆の意味から準備の流れ、心構えまでを詳しく解説します。
初盆の意味と日程
初盆とは何か?
初盆とは、故人が亡くなってから四十九日を過ぎて、初めて迎えるお盆のことです。通常のお盆と同じく、故人の霊がこの世に戻ってくると考えられており、家族が霊を迎えて供養するために、さまざまな準備を行います。
「お盆」という言葉は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」に由来し、仏教における祖先供養の行事です。特に初盆は、亡くなったばかりの故人の霊を丁寧に迎える特別な時とされ、地域によっては盛大に行うところもあります。
いつ行うのか?
お盆の時期は地域によって異なります。
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多くの地域(主に西日本・中部・北日本):8月13日〜16日
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関東地方や一部都市部(東京など):7月13日〜16日
初盆の対象となるのは、その年の旧暦7月(あるいは新暦7月または8月)までに四十九日法要を終えた故人です。
初盆の準備と流れ
1. 精霊棚(しょうりょうだな)の準備
精霊棚は、故人の霊を迎えるための供物や道具を飾る仏壇とは別の祭壇です。以下のようなものを飾ります:
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白提灯(新盆用):故人が迷わず帰ってこられるよう、玄関や仏前に灯す。
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位牌・遺影:故人の象徴として中央に据える。
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お供え物:果物、菓子、そうめん、精進料理など。故人の好物も。
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精霊馬(しょうりょううま):きゅうりやなすに割り箸で足を付けたもの(迎え馬・送り牛)。
2. 僧侶の手配と法要
初盆では、自宅または菩提寺で僧侶に読経を依頼するのが一般的です。可能であれば、四十九日法要の際に初盆の予定も相談しておくとスムーズです。
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読経の依頼:自宅に来てもらう場合と、寺院に参拝する場合がある。
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お布施:2〜5万円が相場(地域・宗派による)。お車代・御膳料も忘れずに。
3. 会食・引き出物の準備
法要の後、参列者に精進料理をふるまったり、引き出物を渡すのが慣例です。
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会食は会場手配・仕出しなど早めの予約を。
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引き出物は、お菓子・お茶・タオルなど日常使いしやすい品が人気。
4. 迎え火・送り火
故人の霊が迷わず帰ってこれるよう、火を灯すのが「迎え火」「送り火」です。
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迎え火(13日夕方):玄関や庭先で焙烙(ほうろく)にオガラを焚く。
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送り火(16日夕方):同様にして霊をあの世へ送る。
集合住宅などで火を焚けない場合は、電気の提灯やロウソクで代用する場合もあります。
参列者のマナーと香典
服装
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喪服が基本ですが、近年では黒系の略礼服や地味な平服も一般的です。
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ただし、宗派や家庭の方針によっては正装を求める場合もあります。
香典
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「御仏前」「御供物料」と表書きする。
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金額は3,000〜10,000円程度が相場(関係性による)。
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のし袋は黒白または双銀の水引を使用。
地域による違い
地域によって初盆の風習には違いがあります。たとえば:
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九州・四国地方:庭先に大きな提灯を飾る。
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長野・山梨などの山間部:灯籠流しを行う。
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東京・関東圏:提灯は控えめ、家族中心で静かに行う傾向。
地元の風習や親戚の意向も確認しておくと安心です。
心構えとまとめ
初盆は、喪失の悲しみが少し和らいできた頃に、改めて故人と向き合う時間でもあります。形式ばかりにとらわれず、「どうすれば故人が喜んでくれるだろうか」「どんな供養が心に残るだろうか」といった想いが最も大切です。
準備に追われるかもしれませんが、ひとつひとつの所作に心を込めて、感謝と敬意をもって初盆を迎えましょう。
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