博多織は、福岡県福岡市博多区を中心に生産される伝統的な絹織物

博多織は、福岡県福岡市博多区を中心に生産される伝統的な絹織物

博多織(はかたおり)は、福岡県福岡市博多区を中心に生産される伝統的な絹織物で、その起源は約770年前にさかのぼります。博多織は、高度な技術と独特の美しい模様で知られ、主に帯として用いられています。その歴史と発展を以下に詳しく説明します。

博多織の歴史

起源と初期の発展

博多織の起源は、鎌倉時代(1185年~1333年)にさかのぼります。伝承によれば、1273年に宋(現在の中国)から帰国した商人・宗像大弐が、織物技術を博多に伝えたことが始まりとされています。彼が持ち帰った技術を基に、博多で独自の織物が発展していきました。

江戸時代の隆盛

江戸時代(1603年~1868年)には、博多織は藩主黒田長政によって保護され、博多の主要な産業となりました。この時期には、幕府や藩への献上品としても用いられ、品質の高さが広く認知されるようになりました。また、博多の商人たちが全国各地で博多織を販売し、その名声を広げました。

明治時代から昭和時代までの発展

明治時代(1868年~1912年)以降、博多織は機械織りの導入により生産効率が向上し、国内外での需要が増加しました。特に大正時代(1912年~1926年)から昭和初期(1926年~1945年)にかけては、博多織の技術革新が進み、新しいデザインや技法が導入されました。

戦後から現代まで

第二次世界大戦後、博多織は一時期衰退しましたが、伝統工芸としての価値が再認識され、復興が進みました。現在では、伝統的な技法を守りつつも、現代の需要に応じた新しい製品が開発されています。

 

博多織の特徴

  1. 技術と模様
    • 博多織は、縦糸と横糸を緻密に織り合わせることで、丈夫で光沢のある生地が特徴です。伝統的な模様としては、「献上柄」が有名で、独特の幾何学模様が施されています。
  2. 種類
    • 博多織には、帯や反物、着物などさまざまな製品があります。特に、帯は高い品質と美しさで評価されています。
  3. 地域の文化と結びつき
    • 博多織は、博多の地域文化や歴史と深く結びついています。毎年行われる博多祇園山笠の装束にも使用されるなど、地域の伝統行事に欠かせない存在です。

まとめ

博多織は、700年以上の歴史を持ち、技術と美しさで国内外にその名を知られています。現代においても、伝統を守りながら新しい挑戦を続けており、その魅力はますます広がっています。福岡を訪れた際には、博多織の美しい製品に触れる機会をぜひ楽しんでください。