経済産業大臣認定伝統工芸士(京人形)
京都伝統産業優秀技術者
昭和16年10月 | 初代甲冑師 平安武久(佐治久三郎)と母知(京都市伝統産業技術功労賞受賞)の次男として京都に生まれる。 |
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昭和34年 | 初代甲冑師 平安武久に甲冑作りを師事。一子相伝に受け継がれた技を修得する。 |
平成7年 | 経済産業省認定伝統工芸士(京人形) |
平成18年11月 | 京都府伝統産業優秀技術者(京の名工) |
経済産業大臣認定伝統工芸士(京人形)
昭和44年6月 | 父 甲冑師 平安武久(佐治健夫)の長男として京都に生まれる。 |
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昭和61年3月 | 初代平安武久から熟練の技術を受け継いだ父(佐治健夫)に師事。 |
平成20年3月 | 経済産業省認定伝統工芸士(京人形) |
時を経るほどに、深く、広く―― それが、伝統の技と心を受け継ぐ者の天命である思います。同時にそれは、誇るべきことでもあるのです。
1200年以上の歴史を背景に、幾多の美技美芸を育み伝えてきた”京都”にあって、平安武久は京甲冑師として”京もの”の伝統と正統、その心と技を磨いてきました。そして願うのは、日本の心、日本の伝統技のすばらしさを、広く知っていただきたいのです。そのために工房武久は、五月人形(鎧・兜)と節目(節句)を祝す心を、より深く、たしかに人々に伝えていきます。
◎鎧・兜に優美な趣を添える数々の錺り金具。
兜の「鍬形台」「吹返し」、鎧の「袖」「籠手」「臑当」など、随所に華麗な技が光る。
◎職人の鉄槌が無機質な金属板に生命を吹き込む。
鎧・兜の全体を構成する金属部のすべてが職人の手によって打ち出され、形を整えていく。
「面頬」や「兜鉢」など、一枚の金属板が手練の技によって各部を形づくる。
◎魂をこめる刃先から生まれる空翔る龍。
武久の「前立」は源氏重代の鎧・兜に範をとり、「龍頭」は躍動感に満ち溢れている。
一点一点丹念に木彫り仕上げ・・・
◎幾重にも塗り重ねる漆は、職人の思いと塗りの味わいを深める。
兜の「錣」、鎧の「袖」「草摺」、各部を構成する小札板と、鎧・兜を収める「唐櫃」は、塗師の手によって本漆が施される。
◎金箔の品格ある光は、職人がひきだすこころの輝き。
「前立」の「龍頭」、「錣」、「吹返し」などの小札板に、一本の箔箸をあざやかに繰りながら本金箔を施す。
◎繊細な絹を組む、雄々しさに雅の気品を醸し出す。
赤糸縅、紺糸縅の名で呼ばれるように、鎧・兜は縅毛という組紐や房で覆われている。
これら組紐や房は、職人の手により数十工程を経て生み出されてゆく。
平安武久には、伝統の各職を束ねる立場と職人武久としての立場との二様がある。
前者は各職の技を守り育てること、後者はその”技”の結晶を武久の名人技によって縅し、組み合せて一領の鎧・兜に仕上げることである。
伝統とは何か、職人芸とは何か、甲冑師の統師として、また一個の職人として、武久は常に問い、最高を求め続ける。
工房 武久の鎧・冑には「京都洛冑会」の名匠が製作したことの証である「祈大願成就」のメダルがついています。